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  2. Novel
  3. テニスの王子様
  4. 菊リョ菊
  5. Baby Baby
  6. 始まり
  7. 電話をかける

電話をかける

 家にいるかもわからない。そんな状態で、家に行っても越前と逢えるとは思わなかった。
 それなら、ちゃんと話が出来るまでかけ続けようと、自分のベッドに座り込む菊丸。
 
   トゥルルルル…トゥルルルル…トゥルルルル…カチャ…
 
「あ、おチ…」
「<ピーッ>ただ今、電話に出る事が…」
 
   ピッ……
 
「ちぇー、まだつながんないや」
 そんな事を言いつつ、携帯を放り投げながら勢いに任せてベッドに横になると、口を尖らせる。
 最初の越前のドタキャン電話から、すでに1時間が過ぎていた。
 何度もかけては留守電、かけては留守電を繰り返すのみで、全く変化は現れない。
 今、あの子がどこにいて、何をしているのか…電話をかけてもつながらないなら、ここでこうしていてもわからないのは、当たり前。
 天井をボーっと見上げながら、菊丸の手が携帯に触れた。
 後一度。
 もう一度だけかけてみよう。
 これでつながらなかったら………。
 そんな事を思いながら、起き上がると願いを託してボタンを押した。
 
   トゥルルルル…トゥルルルル…トゥルルルル…カチャ…
 
「………」
「<ピーッ>ただ今、電話に出る事が…」
 
   ピッ……